桜流しの美濃焼で味わう、墨廼江の三銘柄


季節を手元に感じる一献

3月は、冬の名残を感じつつも、ふとした瞬間に春の気配が漂う季節です。まだ肌寒い日もありますが、日差しはやわらかくなり、少しずつ桜の開花を待つ楽しみが生まれてきます。そんな春の訪れを、酒とともに手元でも感じることができたら、より一層風情が増すのではないでしょうか。

今月は、宮城県石巻市の名門・墨廼江酒造の3銘柄、「特別純米 墨廼江」「純米吟醸 蔵の華」「純米大吟醸 谷風」を選びました。そして、これらを味わうための酒器として、桜流しの美濃焼を用意しました。

酒をただ楽しむだけでなく、器にも季節の色を取り入れる。手元に桜色の酒器を添えることで、**侘び寂びの精神に通じる「さりげない季節の演出」**を味わうのも、日本酒の楽しみ方のひとつです。






桜流しの美濃焼 – 春の風情を手元に添えて

美濃焼は、岐阜県で生まれた歴史ある陶器で、土の温かみと釉薬の美しさが特徴です。今回選んだのは、「桜流し」と名付けられた淡いピンク色の徳利とお猪口。桜が舞い散るような儚さと、春の淡い光を思わせる柔らかな色合いが魅力です。

この酒器に酒を注げば、透明な液体がほんのりと桜色に染まり、視覚からも春を感じることができます。酒だけでなく、器も含めて楽しむことで、ただ飲むだけでは味わえない日本ならではの「風流」を感じる時間が生まれます。




墨廼江の三銘柄を桜流しの美濃焼で味わう



 墨廼江 特別純米 – 端正な旨みと春の訪れ
宮城県産「五百万石」を使用したこの酒は、すっきりとした飲み口と、ふんわりと広がる米の旨みが特徴です。
冷酒でキリッと飲めば、まだ肌寒い春先の空気を感じさせ、ぬる燗にすれば春の陽だまりのような温かみを感じる一杯となります。桜流しの器に注げば、ほんのりと映る桜色が酒の清らかさを引き立ててくれるでしょう。





 純米吟醸 蔵の華 – 気品ある香りと桜色の余韻
宮城県独自の酒米「蔵の華」を使用したこの純米吟醸は、果実のような上品な香りと、透明感のある甘みが特徴です。
やや冷やして飲めば、桜の蕾がほころぶような優雅な香りが広がり、常温にすればよりふくよかな旨みが楽しめる。桜流しの酒器に注ぎ、香りとともに桜色の余韻を楽しめば、まるで春の情景を飲んでいるような気分にさせてくれます。





 純米大吟醸 谷風 – 風格と気品、春爛漫の美しさ
大横綱「谷風」の名を冠したこの純米大吟醸は、兵庫県産「山田錦」を40%まで磨き上げ、気品ある吟醸香と奥深い味わいを持つ逸品です。
冷酒で飲むと華やかな香りが立ち上り、ぬる燗にすればより優雅でなめらかな甘みが引き立つ。桜流しの酒器に注げば、気品ある純米大吟醸の透明感がより一層際立ち、特別な時間を演出してくれることでしょう。




酒器に季節を映す、侘び寂びの楽しみ


日本酒を楽しむ際、銘柄や温度だけでなく、「どんな器で飲むか」もまた、味わいを大きく左右します。美濃焼の桜流しのような季節感のある酒器を選ぶことで、ただの晩酌が、特別なひとときへと変わるのです。

これは、侘び寂びの精神にも通じる楽しみ方です。桜のように、派手ではなくとも、ふとした瞬間に感じる美しさを大切にする。手元にさりげなく季節を映し、視覚や感触からも春を感じることで、日本酒を味わう時間そのものが、より豊かになるのではないでしょうか。




桜色の酒器とともに、春の一献を


3月は、寒さと温かさが交差し、春の気配がゆっくりと広がる時期。桜の開花を待ちながら、手元の酒器に一足早く春を取り入れてみるのはいかがでしょうか。

「墨廼江 特別純米」「純米吟醸 蔵の華」「純米大吟醸 谷風」という三銘柄を、美濃焼の桜流しの酒器で味わう。それは、ただ酒を飲むだけではなく、春を五感で楽しむひとときを生み出してくれます。

この春、ぜひ酒器にもこだわり、日本酒とともに季節の移ろいを感じる時間を楽しんでみてください。

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